ホーム長居でのACLラウンド16は浦項との対戦。前半の失点が響く展開でゴールが遠くベスト8ならず
タイで行われたACLのグループステージを1位で通過したセレッソ大阪。ラウンド16は韓国の浦項スティーラーズをホーム長居球技場に迎えて行われました。
グループステージでは同組に韓国勢がいない・中国勢がメンバーを落としていたため、セレッソ大阪が順当に勝ち上がることができました。今回の浦項戦が初の韓国勢との真剣勝負。現在の実力を占う上でもきっちりと勝利して、ベスト8に進出を果たしたいところです。
試合の方は、前半は相手の守備を崩せず、なかなかビルドアップでボールを前に運ぶことができないセレッソが苦戦。相手のセットプレーからの得点で先制を許してしまいます。
失点直後に決定機を作って同点に追いつくチャンスもありましたが決めきることはできず、リードを奪われた状態で後半に入ります。
そして、後半はセレッソが選手交代も絡めて積極的な攻撃を仕掛けていくセレッソが、終盤は相手ゴールに猛攻を仕掛けますが、得点は奪えません。
結果、相手がきっちりと1点のリードを守りきり敗戦。ベスト8への進出はかないませんでした。
セレッソ大阪 | 0 | 0 | 前半 | 1 | 1 | 浦項スティーラーズ |
0 | 後半 | 0 | ||||
得点 | 25’ イ スンモ |
前日14日(火)に実施されたラウンド16の他の2試合は、名古屋は勝利、川崎は延長・PK戦の末に敗退。結果、ACL東地区のベスト8(4チーム)は韓国勢3チームとJリーグ1チーム(名古屋)ということになりました。
是非勝利して、ベスト8に進出したかったですが、勝ち上がった名古屋が浦項とベスト8で戦いますので、この後は名古屋に託しましょう。
スタジアム | 長居球技場 |
入場者数 | 3,156人 |
天候/気温/湿度 | 曇り / 25.9℃ / 52% |
主審 | アブドゥルラフマン アルジャッシム |
副審 | タレブ アルマッリ、サウード アハメド アルマカーレハ |
第4の審判員 | ハミス アルマッリ |
試合はACLのため、ネーミングライツの名前は使えず、正式名称の長居球技場(ヨドコウ桜スタジアム)で実施されました。
水曜の18時キックオフの試合でしたので、観客は3000人強と少な目の入りとなりました。私は見に行くかどうかをギリギリまで悩んでいたのですが、遅れてもよいから見に行くかと決めて、現地で観戦してきました。
18時キックオフでしたので、キックオフにはやっぱり間に合いませんでした…。(コロナ禍の中のいろいろな制限があるのは仕方ないですが、キックオフが早まるのは結構しんどいですw)
メンバー
ACL ラウンド16 浦項戦のスタメン(スタメン写真はセレッソ公式より)
セレッソのスタメンは、GKはジンヒョン。CBにはチアゴ・鳥海選手が並びました。SBは左にマル(丸橋選手)・右に陸(松田陸選手)が入っています。
ボランチはリキ(原川力選手)とナオ(藤田選手)が入り、左SHにヌイヌイ(乾選手)・右SHには寛人(山田選手)が入っています。
トップには、おっくん(奥埜選手)が負傷明けで久々に戻り、オーストラリア代表のタガート選手と2トップを組みました。
セレッソ大阪 | 浦項スティーラーズ | ||||||
スターティングメンバー | スターティングメンバー | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
GK | 21 | キム ジンヒョン | GK | 31 | カン ヒョンム | ||
DF | 2 | 松田 陸 | DF | 4 | チョン ミングァン | ||
6 | チアゴ | 46′ | 10 | カン サンウ | |||
14 | 丸橋 祐介 | 13 | クォン ワンギュ | ||||
24 | 鳥海 晃司 | 17 | シン グアンフン | ||||
MF | 4 | 原川 力 | 75′ | 30 | キム リュンソン | ||
5 | 藤田 直之 | 32 | パク スンウク | ||||
23 | 乾 貴士 | MF | 6 | シン ジノ | |||
25 | 奥埜 博亮 | 65′ | 8 | マリオ クヴェシッチ | 60′ | ||
FW | 9 | アダム タガート | 65′ | 16 | イ スンモ | ||
34 | 山田 寛人 | 86′ | FW | 82 | マヌエル パラシオス | 90+2′ | |
控えメンバー | 控えメンバー | ||||||
GK | 50 | 松井 謙弥 | GK | 41 | チョ ソンフン | ||
DF | 26 | 小池 裕太 | DF | 2 | アレックス グラント | ||
3 | 進藤 亮佑 | 3 | イ グァンジュン | ||||
33 | 西尾 隆矢 | 46′ | MF | 14 | オ ボムソク | ||
MF | 18 | 西川 潤 | 65′ | 57 | イ スビン | ||
30 | 喜田 陽 | 79 | コ ヨンジュン | 60′ | |||
FW | 20 | 大久保 嘉人 | 75′ | FW | 25 | キム ソンジュ | |
22 | 松田 力 | 77 | イム サンヒョプ | ||||
28 | 中島 元彦 | 86′ | 88 | クォン ギピョ | 90+2′ | ||
29 | 加藤 陸次樹 | 65′ | 9 | キム ヒョンソン | |||
監督 | 監督 | ||||||
小菊 昭雄 | キム ギドン |
そして、ベンチには10人のメンバーが入ることができたので、負傷明けの進藤選手などがベンチ入していますね。
リーグ戦とACLは、どういうメンバー構成で戦うかに注目していましたが、CBは歩夢を休ませてチアゴ・鳥海のコンビで来たのは私の予想通りではありました。
2トップはタガートと、寛人(山田選手)かムツキ(加藤選手)で来るかなと思っていたのと、NJ(西川潤選手)をスタメンで使うかもと予想していたので、それは外れましたw。
でも、おっくん(奥埜選手)が負傷開けでスタメンに戻ってきたのは、今後の戦いを考える上では頼もしい限りかと思います。
試合展開
前半
私自身の予想通り、キックオフには間に合いませんでしたw。
そして、席に座ってカメラを構えられたのが、自陣のリキ(原川力選手)から、タガート選手に長い縦パスのスルーパスが通ったシーンでした。
これを左サイドにいたおっくん(奥埜選手)に落とすタガート選手
タガート選手からのボールを受けておっくん(奥埜選手)がドリブルで相手ゴール前をうかがっていきます
右サイドバックでフィードを送る陸
この日も攻守に奮闘していた不動の右サイドバック陸(松田陸選手)
ポストプレーで相手を背負いながらボールを落とすタガート選手
右CBに入ったチアゴ選手
CBはチアゴと鳥海選手のコンビ
鳥海選手が入ったときは、渋い低めのよく通る声で周囲に指示を出している声がよく聞こえます。この日もチアゴ選手や周囲にいろいろと指示だしてました。
そしてもう一人、指示出しという意味では重要な選手のナオ(藤田選手)
中盤のボランチに入り、立ち位置・ビルドアップでの展開などを指示していますね。
この日はゲームキャプテンのジンヒョン
韓国チーム相手だと、やはり燃えるのでしょうかね。
右サイドのスローインでボールを持つ陸(松田陸選手)、かっこいい表情
ファウルをした後に審判に注意を受ける陸(松田陸選手)
左SHで抜群のテクニックをベースに攻守に奮闘していたヌイヌイ(乾選手)
前半の序盤はセレッソが浦項陣に攻め込むシーンも作っていましたが、ビルドアップで相手の守備のプレスを外して前にボールを運ぶことがなかなかできず、徐々に相手ペースになっていきます。
セットプレーで指示を出しているジンヒョン
FKの守備ライン
右SHに入り、クサビのパスを受けたり、間でボールを受ける動きをしていた寛人(山田選手)
裏抜けやピンポイントで合わせることが得意なタガート、もっと上手く使いたいですね。
ボランチで出場のリキ(原川力選手)
同じくボランチのナオ(藤田選手)
ビルドアップから左サイドに展開し、マル(丸橋選手)がドリブルで長距離を運び相手ゴール前に迫るシーン
久々に復帰のおっくん(奥埜選手)
ポストプレーでもう少し起点になってくれるといいなと思うタガート
そして、前半25分にコーナーキックから、ニアにボールを合わされて、ヘディングで後ろにボールがこぼれたところを、相手選手が押し込み先制。
苦しい展開の中で耐えていたセレッソですが、セットプレーから失点してしまいます。
セレッソボールのキックオフで試合再開。ナオ(藤田選手)が蹴るんですね。
ペナルティエリア内で足でボールを扱うジンヒョン
そして、失点直後の28分にはセレッソにビッグチャンス。左サイドのヌイヌイ(乾選手)がドリブルで中に切り込んでいきながら、右サイドを上がってきた陸(松田陸選手)にスルーパス。
これをペナルティエリア内で受けた陸(松田陸選手)がワントラップして、右足のアウト再度でコースを狙ってシュート!!
これは相手GKにセーブされてしまいますが、こぼれ球をつなぎ、再び陸(松田陸選手)から、ゴール前にポジションを取っていたタガート選手にクロス。
フリーでヘディングシュートを放ったタガート選手のシュートは、惜しくも右ポストを直撃。ゴールとはなりませんした。
このシーン、副審がオフサイドのフラッグを上げて、オフサイドの判定になりましたが、リプレイの映像で見る限りはオンサイドでしたので、きっちりとゴールを決めたかったところでした、
その後、先制点を奪った浦項が前に積極的に出てこなくなったこともあり、セレッソが相手ゴール前に迫るシーンが増えてきます。
これは右サイドからナオ(藤田選手)のロングスローをチアゴ選手が競るシーン
守備でも気合いの入った表情の陸(松田陸選手)
CBで落ち着いたプレーと周囲を統率していた鳥海選手
相手コーナーでの守備のシーン
ジンヒョンがジャンプしてキャッチ
そして、前半は0−1のスコアで終了。ハーフタイムに入ります。
ハーフタイム
ハーフタイムのアップシーン、隆矢(西尾選手)
鳥かご中の嘉人(大久保選手)
髪を直している陽(喜田選手)
ベンチメンバーが鳥かごをしているので、ハーフタイムでのメンバー交代はないのかなと思ってみていたら、隆矢(西尾選手)がアップのテンポを上げ始めました。
ビルドアップの部分・パスの判断・対人プレー等、前半課題があった部分なので「チアゴと交代だな」と思いました。
アップのテンポを上げている隆矢(西尾選手)
アップを終えて引き上げる陽(喜田選手)ともっくん(中島選手)
後半
予想どおり、ハーフタイムでチアゴ選手→隆矢(西尾選手)へと交代します
後半開始前の円陣。キャプテンジンヒョンが気合をいれます
DF陣とGKのグータッチ
キックオフ前にリフティングするリキ(原川力選手)
ロングフィードを蹴る鳥海選手
左サイドでボールを受けて積極的に仕掛けるヌイヌイ(乾選手)
仕掛けた後、後ろからオーバーラップしてきたマル(丸橋選手)に後ろ向きでパス
これをマル(丸橋選手)がクロスを上げます
ビルドアップでボールを受けるリキ(原川力選手)
チアゴに代わって右CBに入った隆矢(西尾選手)
CBが変わったこと・立ち位置も変わったことなどから、セレッソが徐々にボールを回し始めます。
左CBでボールを持ち運ぶ鳥海選手
中央付近でボールを受けてチャンスを伺うヌイヌイ(乾選手)
ペナルティエリア内で勝負してシュートに持ち込むシーン
そして、ヌイヌイ(乾選手)のシュートがブロックされた後のこぼれ球をつないで、陸(松田陸選手)からのパスを受けて、リキ(原川力選手)がフリーでシュート!!
よし、これはチャンス!!と思ったシーンでしたが、力んだのか、シュートはゴール上に外してしまいます…。
相手の攻撃をヘディングで跳ね返す隆矢(西尾選手)
鳥海選手がボールを運び、ビルドアップでのパスの出しどころを探します
右サイドで積極的に仕掛ける陸(松田陸選手)
ペナルティエリア内に侵入しようとするおっくん(奥埜選手)
顔を上げてパスをうかがうリキ(原川力選手)
そして、65分に2トップを交代します。
タガート選手→NJ(西川潤選手)
おっくん(奥埜選手)→ムツキ(加藤選手)へと交代します
この交代でそのまま2トップの位置に入るムツキ(加藤選手)
ボールを運ぶナオ(藤田選手)
前まで上がってきてボールをつなぐ隆矢(西尾選手)
ボールをキープはできているセレッソですが、相手も守備をきっちり固めてくるので、なかなか崩すことができません。
ボールを受けてキープするムツキ(加藤選手)
トップのいちに入ったNJ(西川潤選手)
NJは、ワンタッチ目や相手への体の当て方もよくて、簡単にボールを奪われることがないのでよいですね。
寛人(山田選手)が前に出るかと思ったのですが、NJがトップ、寛人はサイドでしたね。
寛人(山田選手)も相手を背負ってターンしたり、フリックしたり、間で受けれるので、どんどん成長してきている気がしています。
そして、右サイドの陸(松田陸選手)から横パスでNJへ
よい位置でボールを受けたNJ(西川潤選手)が攻撃を仕掛けます
ペナルティエリア内に持ち込みDFと勝負してシュートまで持ち込みますが、これは相手GKにセーブされてコーナーキックになります
守備面でも前から貪欲にプレスに行っていたNJ(西川潤選手)
右サイドのコーナーキックのキッカー、マル(丸橋選手)
75分にはボランチのリキ(原川力選手)に代えて、嘉人(大久保選手)を投入し、中盤は1ボランチでNJ(西川潤選手)がトップ下の位置に入る攻撃的な形に変更
終盤には寛人(山田選手)に代えて、もっくん(中島選手)を投入して、ゴールに迫るセレッソ
NJ(西川潤選手)・もっくん(中島選手)が積極的にシュートを狙っていきますが、なかなか決めきることはできません。
コーナーキックを何度も奪って、相手ゴールに迫ります
試合終了間際にはジンヒョンも上がってきてコーナーキックでゴールを狙います。
このコーナーキックのこぼれ球をNJ(西川潤選手)が拾って、左足でシュートを打って外れた直後にタイムアップ。
NJ[西川潤選手)はそのまま仰向けに寝転がって悔しがります
ゴールが遠かったセレッソ、0−1のスコアで残念ながら敗戦となってしまいました。
試合終了後、レフリーとのグータッチをする隆矢(西尾選手)・NJ(西川潤選手)
感想
試合終了後の挨拶のシーン
この日は出番はありませんでしたが、進藤選手も復帰していますね
もっくん(中島選手)は悔しそうですね。もう少し早く投入してもよかったかもしれません。
スタンドに挨拶するNJ(西川潤選手)
スタンドのファン(子供)に笑顔を向けるヌイヌイ(乾選手)
インタビュー後に一人でスタジアムを周回していたジンヒョン
タガート選手は相手の選手と試合後、話し込んでいました。
勝ちたかったですが、ゴールが遠く残念な敗戦となりました。相手の方が一枚上手だったように思います。
アウェイで1点取って、後はカウンター狙いをしながらきっちり守り切るという相手の狙いを、やり切られたという試合でした。
相手の助っ人外国人選手のパワフルな突破にも手を焼いていましたし、前半のビルドアップの部分でなかなか上手く行かなかったり、パスがズレたりと上手く行かないときに、素早く修正できると、もっとよくなるんでしょうね。
この試合、私は現地で観戦できたので、DAZNは見ていなかったのですが、播戸さんの解説はセレサポさんたちには不評な部分が多かったようですね。
尹さん・ロティーナさんのサッカーや、立ち位置でボールを運ぶプレーを見てきたので、やろうとしていることがわかっていると、もっとポジティブな気持ちになれるとは思うのですが、消極的に見えたんでしょうね。
気持ち・戦う姿勢・消極的という言葉は、言うのは簡単ですけど、相手もいて戦うものなので、それも必要だけど、それだけでは勝てないのがサッカーかなとは思っています。
そして、現地で見ていると、コロナ禍で声を出せないので、以前のように野次を聞く場面はほぼなくなりましたが、ブチブチと文句やプレーに対する不満を声に出して言う方は、まだいらっしゃいますね。
自分の好きなサッカー・やって欲しいサッカーとの比較で、選手個人への文句やプレーに対する批判など、聞くに堪えない表現をされている方もいるので、個人的には「もっと楽しんで応援すればよいのにな」とは思います。
そして実は、この日の試合、私の周囲にそのような方がいらしたので、あまり気持ちのよいものではありませんでした。
負けたら当然悔しくて、勝つともちろん嬉しいので、勝って欲しいですし、好きな選手を出して欲しい気持ちもわかります。
ただ、できればポジティブな内容・表現で声に出してもらえるといいなと思っています。難しいとは思いますが
勝利できれば、そういう声も減るし聞かなくてよいので、そう意味でも、選手・監督・スタッフが気持ちよくプレーでいるように、楽しく応援を続けていけたらよいなと思います。
次のリーグ戦の浦和戦は、この日、積極的なプレーを見せていたNJ(西川選手)やもっくん(中島選手)などが活躍してくれないかなーと思っています。
がんばれ!!セレッソ大阪!!
試合データ・ハイライト
ACL 試合ハイライト
セレッソ公式HP:2021 アジアチャンピオンズリーグ(ACL)ラウンド16 セレッソ大阪vs浦項スティーラーズ 2021.9.15 18時KO @長居球技場
Jリーグ公式HP:選手コメント(キム ジンヒョン 選手・乾 貴士 選手・藤田 直之 選手)