コパ・スダメリカーナ王者のインデペンディエンテを迎えた一戦は、前半に失った1点を取り返せずに敗戦
JリーグYBCルヴァンカップ王者のセレッソ大阪と、CONMEBOLスダメリカーナ王者のインデペンディエンテが対戦したスルガ銀行チャンピオンシップ2018は、8月8日(水)の19時聞くオフでセレッソ大阪のホームスタジアムであるヤンマースタジアム長居で開催されました。
コパ・スダメリカーナは、南米ではコパ・リベルタドーレスに次ぐ大会として南米の強豪国が争う国際大会で、ヨーロッパ(UEFA)に例えると、チャンピオンズリーグ(CL)にあたるのがリベルタドーレスで、ヨーロッパリーグ(EL)にあたるのが、スダメリカーナということになります。
そのチャンピオンと、ルヴァンカップ(Jリーグカップ)のチャンピオンが2008年から対戦しているのが、スルガ銀行チャンピオンシップです。
前置きが長くなりましたが、セレッソ大阪は直近のリーグ戦からは11人のメンバーを入れ替てターンオーバー。スタメン・ベンチメンバーにもU23メンバーを抜擢し、フォーメーションも3バック(5バック)を採用して試合に臨みます。
対するインデペンディエンテは、1週間前から日本入りして、この試合後のリーグ開幕戦も日程延期をして、万全に近い体制・日程で臨んできました。
試合の方は、5バックで守るセレッソに対して、技術に勝るインデペンディエンテがきっちりとボールを回して押し込む展開となります。そして、ペナルティエリア付近での相手のパスがセレッソの選手に当たり、相手FWの前にこぼれたボールを、巧みなボールタッチでゴールに流し込まれ先制を許します。後半はセレッソもチャンスを作りますが、1点を奪い返すことができず、0-1で敗戦してしまい、初の国際大会のタイトル獲得はなりませんでした。
セレッソ大阪 | 0 | 0 | 前半 | 1 | 1 | インデペンディエンテ |
0 | 後半 | 0 | ||||
得点 |
|
若手の抜擢されたメンバーもそこそこの活躍を見せて、ここ6試合のリーグ戦と比較すると、一番よい試合だったようにも思える結果だっただけに、後半の猛攻の中で追いついてPK戦にもつれ込ませることができたら、勝てたらよかったのになと思う試合でした。
スタジアム | ヤンマースタジアム長居 |
入場者数 | 10,035人 |
天候/気温/湿度 | 晴れ / 29.6℃ / 41% |
主審 | マシュー コンガー |
副審 | マーク ルール、マーク ホワイトヘッド |
第4の審判員 | 岡部 拓人 |
この日のヤンマースタジアムは、日本サッカー協会などが主催とあって、いつものセレッソのホームゲームとは違うスタジアム入場でした。
私はメインスタンドのカテゴリー2で観戦してきました。
メンバー
スルガ銀行チャンピオンシップのスタメン
GKはタンタン。そして、DFには怜哉をスタメンに抜擢して、3CBの真ん中に配置して、残りのCBは山ちゃん・康太、右がシャケさん・左がたなゆうの5バックです。
MFは、オスマル・大地の両ボランチに、右が隆貴、左がトシ、そしてFWは1トップで山内がスタメンに名を連ねました。
5-4-1(or 3-4-2-1)のフォーメーションで臨みました。
セレッソ大阪 | インデペンディエンテ | ||||||
スターティングメンバー | |||||||
GK | 27 | 丹野 研太 | GK | 25 | マルティン カンパーニャ | ||
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DF | 4 | 藤本 康太 | 81′ | DF | 2 | アラン フランコ | |
5 | 田中 裕介 | 81′ | 4 | ニコラス フィガル | |||
20 | 酒本 憲幸 | 6 | フアン マヌエル サンチェス ミーニョ | 79′ | |||
23 | 山下 達也 | 59′ | 16 | ファブリシオ ブストス | |||
37 | 森下 怜哉 | MF | 8 | マキシミリアノ メサ | 90+1′ | ||
MF | 17 | 福満 隆貴 | 46′ | 19 | パブロ エルナンデス | 89′ | |
25 | 山内 寛史 | 59′ | 22 | フランシスコ シルバ | 78′ | ||
26 | 秋山 大地 | FW | 7 | マルティン ベニテス | 71′ | ||
43 | オスマル | 9 | エマヌエル ヒグリオッティ | ||||
FW | 13 | 高木 俊幸 | 46′ | 18 | シルビオ ロメロ | 68′ | |
控えメンバー | |||||||
GK | 1 | 永石 拓海 | GK | 13 | ミルトン アルバレス | ||
DF | 16 | 片山 瑛一 | 81′ | DF | 20 | ガストン シルバ | 79′ |
22 | マテイ ヨニッチ | 81′ | 3 | ギジェルモ ブルディッソ | 90+1′ | ||
MF | 11 | ソウザ | 59′ | MF | 10 | フェルナンド ガイボル | 89′ |
32 | 田中 亜土夢 | 46′ | 21 | カルロス ベナビデス | 68′ | ||
36 | 斧澤 隼輝 | 46′ | 5 | ニコラス ドミンゴ | 78′ | ||
FW | 40 | 安藤 瑞季 | 59′ | FW | 32 | エセキエル セルッティ | 71′ |
監督 | |||||||
尹 晶煥 | アリエル オラン |
そして、ベンチには、ヨニッチ、ソウザなどリーグ戦で出ているメンバーに加えて、安藤と隼輝もメンバー入りしています。
両チームメンバーが整列
セレッソのスタメン
国際大会ということで、来賓の激励がありました。
田嶋会長にはブーイングありました…w。
両チームキャプテンのコイントス。
セレッソは大地がキャプテンです。
試合開始前の円陣
試合展開
前半
国際大会なので英語版のメンバー表記
そして日本語の表記の2つがありました。
そして3バックで守り、なんと真ん中が背番号37のプロ2年目の怜哉です。トップチームのデビュー戦で大抜擢ですね。
そして、左サイドがたなゆう。
センターで守備ラインを統率して、大きな経験を積むことができた怜哉
3-4-2-1のフォーメーションで試合開始からスタートするのは初めてなのと、守備面の意識が強すぎたのか、引き気味に試合を進めます。
そして、インデペンディエンテの技術の高さと素早いパス回しの前に、効果的なプレスをかけることができず、セレッソは防戦一方の展開になっていきます。
去年のセビージャとの一戦でも、相手の速いパス回しの前に、守備ブロックは作っているものの守備がハマらなく、ずるずると下がってしまうシーンがありましたが、まさにそんな感じでした。(去年のセビージャ戦↓)
なんとか、失点はせずにいましたが、28分、相手のパスがセレッソのDFの足にあたってコースが変わり、相手FWの前にこぼれてしまいます。これを収めた相手FWが巧みなボールタッチでGKタンタンをあっさりと交わしてゴール。ついに先制を許してしまいます。
ゴールしたロメロ選手
インデペンディエンテのゴール裏。アルゼンチンからこれだけのサポーターが応援に来るのですからスゴイですね。
失点したことで、ようやく前への意識がでたのか、直後に左サイドのたなゆうから、トシにスルーパス。これを左足でシュートしますが、枠を捉えることができず、得点はできません。
このシュートが前半のファーストシュートとなったセレッソは、その後も効果的な攻撃ができないまま前半を終了します。
後半
そして、後半開始と同時にセレッソは2人交代
トシ→亜土夢、隆貴→隼輝とフレッシュな選手を投入します。
後半開始前の円陣
右サイドに入った亜土夢と会話するシャケさん
隼輝は左に入ります。
そして、この交代で、亜土夢と隼輝が間でボールを受けたり、サイドでボールを受けたりすることと、インデペンディエンテの動きが落ちてきたことで、徐々に相手ゴールを脅かすシーンも増えてきます。
左サイドで躍動していた隼輝
コーナーキックでゴール前に上がる康太・山ちゃん
58分の左コーナーからは、康太が足で合わせますが、GKがセーブ。
かなり惜しいシーンで、周りの観客からも「オーッ!?」という声が聞こえてきました。
そして、続くコーナーキックのタイミングで、ソウザ、安藤をピッチに送り込み、入ったソウザがコーナーキックを蹴りに行きます。
このコーナーキックのクロスもいいボールが入り、ゴール前で康太が競ります。
これもGKとDFに防がれてコーナーキックに逃れらえます。
立て続けにコーナーキックを奪って攻めるセレッソですが、なかなかゴールは奪えません。
そして、ソウザが入ったことで、オスマルが左CBに入り、ソウザ・蛍のダブルボランチの布陣になります。
ソウザが入って攻撃面で人をはがせることと、安藤が積極的な裏抜けなどの動きをしたり、ゴリゴリっと体の強さを活かしたプレーを見せることで、攻撃が活性化していきます。
途中出場の安藤選手
豊富な運動量で攻守に貢献、楽しみな存在ですね。
そして、75分には亜土夢のスルーパスから、安藤が右足で強烈なシュートを放ちますが、相手DFの体を張った守備の前にコーナーキックとなり得点はできません。
後半はどんどん押し込んでいくセレッソですが、なかなか相手ゴールを割ることはできません。
相手FWと体を張って対戦する怜哉。いい経験になったと思います。
終盤には、ヨニッチと片山も投入していきます。
たなゆう→片山と交代
そして、この交代でフィールドプレーヤーの外国人が、ヨニッチ(右CB)、オスマル(左CB)、ソウザ(左ボランチ)という形になりますが、この組み合わせはかなりいいと思いました。
終盤には、セレッソが猛攻を仕掛けていきます。
88分にはゴール左手前でフリーキックを獲得
これは惜しくも決まりませんが、90分には、左CBのオスマルもオーバーラップしていき、隼輝からのスルーパスを受けて、ゴール前にグラウンダーのクロスを送り、ニアに安藤が飛び込んでいきますが、合わせることができません。
90+6分には片山選手のロングスローでゴール前に迫りますが、これも得点できず…。
このまま試合はタイムアップし、0-1と残念ながら敗戦してしまいました。
試合終了後(表彰式・場内挨拶)
喜びを爆発させるインデペンディエンテの選手たち
そのまま表彰式が始まります。
プレゼンターは田嶋会長
大型スクリーンに映るインデペンディエンテ
目の前でタイトル獲られるのはやっぱり悔しいですね。。。
尹さんに出迎えられる安藤と隼輝
キャプテンの大地がインタビューを受けます
場内挨拶中の選手たち
ゴール裏に挨拶
永石・安藤も楽しみな選手なので、今後に期待したいですね。
感想など
大胆に若手も起用しながら、直近のリーグ戦とはスタメン11人を入替ての戦いとなりましたが、この試合も勝てずに残念です。
地球の反対側のアルゼンチンから、一週間前には来日し、時差・気候に体を慣らす調整をして、リーグ開幕戦を延期してまでの準備をしてきたインデペンディエンテでしたが、後半は運動量が落ちてセレッソが押し込む時間も増えて、得点を獲れそうなチャンスもあっただけに、惜しかったなと思います。
中2日・中3日が続く12連戦の最中なので、メンバーを入れ替えること(ターンオーバーすること)は当然として、メンバー11人を直近から入れ替えたことで、セレサポではない一部のサポーター・マスコミから「Bチーム」「2軍」で「国際大会」に出るな、というような批判もあったようです。
直近・直後の試合日程の異常さと、この日のスタメンのうち6人は直近6試合のリーグ戦でもスタメン出場していること、去年のルヴァンカップも完全ターンオーバーを採用しながら勝ち上がり最終的に優勝したことを考えれば、セレッソが総力戦でこの12連戦に臨んでいること、負けるつもりで臨んでいるわけではないことは、少し考えればわかると思うのですが、この試合だけにフォーカスする人には理解してもらえないんだろうなと、あらためて感じた試合でした。
内容が良くても負ければ、そういう批判になるでしょうし、チームの雰囲気・メンタルも勝てば変わると思うので、まずは再開後の初勝利を早く挙げて、上昇気流に乗ってほしいものです。
オスマル・ソウザ・ヨニッチが3人とも同時に出場+蛍も出場して、4人が共存する最適解がこの試合で見つかったようなので、これからは、この布陣もいいのではないかと思います。
そして、スタメンフル出場を果たした怜哉、後半開始から出場した隼輝、30分間出場した安藤、というプロ入り1~2年目の若手が、南米の強豪相手にプレーできたことは本当によかったと思います。この世代が、リーグ戦にも出場できるくらい、突き上げて来てほしいと思っています。
まだまだ連戦は続きますが、応援するサポーターも折れずにがんばって応援していきましょう。
がんばれ!セレッソ大阪!!
試合詳細はコチラ
スルガ銀行チャンピオンシップ2018 OSAKA 2018.8.8 (水) 19:00KO セレッソ大阪vsインデペンディエンテ(オフィシャル)
スルガ銀行チャンピオンシップ2018 C大阪 vs IND(まいど!セレッソ)
スルガ銀行チャンピオンシップ|試合後の尹晶煥監督(セレッソ)記者会見コメント
スルガ銀行チャンピオンシップ|試合後のセレッソ選手コメント(オスマル・山下・秋山)
Jリーグ公式より(選手コメント)
[ 藤本康太選手 ]
やっぱり事故的なところ。そこをいかに防げるか、防げないかというところに、今のチーム状況があります。
--だから余計に悔しい?
プラン通りにいけば、後半みたいな展開になったと思うので。前半ゼロで抑えられれば、もっともっと面白い試合になっていたと思います。--南米のチームはやりづらかったか?
初めて南米のチームとやったので、もっと個の能力で仕掛けてきたりするのかなというのはあったんですけど、思いのほか、パスで崩してきたりが多かった。でもやっぱり個の勝負になった時は、能力が高かった。そういったところはあったと思いますけど、やっぱりセビージャとかとやった時のほうが、もっともっと怖さがあったかなと思いました。でも良いチームでした。--パススピードは速かった?
速いですね。速いし、良いところを見ている。意志疎通できているなあと攻撃のところは思いました。--次につなげたいですね。
そうですね。頑張ります。
[ オスマル ]
--後半に良くなったと思いますが、試合を振り返ってください。
チームも全体的に押し上げることができて、前でプレッシャーを掛けられるようになって、そこでもっと力を入れられたんじゃないかなと思います。--南米特有の難しさは感じましたか?
前半は結構ボールを失って怖がっている部分はもちろんあったと思うんですけど、もっと後半みたいに前からいければ前半も違ったと思う。前半もそこまで走らず、もっと堂々とやれたと思います。--チームがなかなか勝てていない状況で、一人ひとりのメンタルを切り替えなければいけない。今日の試合で、そのきっかけは見つかりましたか?
今日の試合に関して言えば、自分たちは切り替えてやって、自分たちの力を証明して、それを次のリーグ戦に持って行ければ一番良かったんですけど、残念ながら結果が出なかった。選手、監督とみんなで話し合って解決していくしかないですね。