日本のグループリーグHの最終戦は、ヴォルゴグラードの現地会場ではなく、モスクワのファン・フェストで観戦
グループリーグを見事突破した我らがサムライブルー日本代表。
グループリーグのこれまでの2戦は現地のスタジアムで観戦しましたが、第3戦のポーランド戦は、前後の日程の都合で、ヴォルゴグラードの現地のスタジアムではなく、首都モスクワのFAN FEST会場で観戦してきました。
アディショナルタイムの時間の使い方が話題となったこの試合ですが、そのときの会場の様子も含めてまとめてみたいと思います。
グループリーグ初戦のコロンビア戦の記事はコチラ
グループリーグ2戦目のセネガル戦の観戦記はコチラ
試合の方は、メンバーを第2戦までのメンバーから、ガラッと入れ替えた日本代表が押し込まれる苦しい展開となり、セットプレーから失点し、0-1で敗戦。
0 | 0 | 前半 | 0 | 1 | ||
0 | 後半 | 1 | ||||
得点 |
BEDNAREK 59′
|
他会場の結果から、フェアプレーポイントで上回った日本代表がグループリーグ2位で決勝トーナメント(R16)に進出しました。
試合 | [47] グループリーグH 第3節 |
開催日 | 2018年6月28日(木) |
キックオフ | 17:00Kickoff |
開催都市 | ヴォルゴグラード |
スタジアム | ヴォルゴグラード・アリーナ |
入場者数 | 42,189名 |
いろいろ賛否両論ある試合となってしまいましたが、R16進出できて本当によかったです。
モスクワ FAN・FESTでの観戦
ヴォルゴグラードに行かなかった理由
この試合は、以下のような理由から、元々モスクワのFAN FESTで観戦することに決めていました。
- 前日にカザンで韓国vsドイツを観戦
- ヴォルゴグラードの宿泊が高額
- モスクワとの往復の手配も高額
- 翌日には日本に帰国する日程
- モスクワのFAN FESTに行ってみたい
ちなみに、日本戦の現地会場での観戦回避の理由の1つとなった前日の韓国戦は、ドイツに韓国が勝ったことに加えて、個人的にはサプライズもあって、やっぱりカザンに行ってよかったと思っていました。(カザンでの試合観戦記はコチラ)
モスクワのFAN FEST会場へ
カザンでの試合観戦を終えると、FIFAの無料寝台列車に乗り込んで、カザンからモスクワまで移動しました。夜行の寝台車では、ロシア人の兄弟と、台湾人の女子大生と同じ部屋になって、いろいろ会話したあと爆睡して、当日の午後にカザンスキー駅に到着。
ちょっとタイトなスケジュールでしたが、ホテルに荷物を預けてから、モスクワのFAN FEST会場に向かいました。
FAN FESTの会場は、最寄り駅からはかなり上り坂とわかっていましたので、1つ先の駅から平坦な道を歩いて向かうことにしました。
会場に向かうまでの道や会場周辺の様子は以下の記事をご覧ください。
FAN FEST会場で放映する試合
FAN FESTでは試合のライブ映像が見れますが、グループリーグの第3節は、リーグ突破が決まる試合となるため同じグループリーグの2戦は同時刻キックオフ。
その場合「どちらの試合映像を流すのか」「2試合とも放映するのか」でいうと、FAN FEST会場次第です。
1つしかスクリーンがなければ試合は1つしか流せませんし、複数スクリーンがあっても1試合しか放映しないところもありました。
ちなみに、カザンのFAN FEST会場でグループDの第3節を観たのですが、2つスクリーンがありましたが、どちらのスクリーンでも、ナイジェリアvsアルゼンチンが放映されていました。
突破が決まっているクロアチアと敗退の決まっているアイスランドの試合よりは、アルゼンチンがグループリーグ突破を賭けた試合(勝たないと突破できない)で、ナイジェリアとの直接対決で争う試合の方が注目されるのはわかりますよね。
そして、それをグループHに置き換えた場合、日本は1位、セネガルは2位、コロンビアは3位で突破が懸かっていて、4位のポーランドは敗退が決まっているという状況でした。
そのため、セネガルvsコロンビアの方が、日本vsポーランドより注目を集めている状況でしたので、「え?モスクワも1試合しかやらへんの?」という不安が頭を過りましたが、モスクワは12個もスクリーンがある大きな会場で、2試合とも放映していると、事前にFacebookでアナウンスしてくれていたので、安心して観に行くことができました。
モスクワ以外の会場で観戦する予定にしていたら、危うく、ロシアにいるのに、日本代表の試合をリアルタイムで観れないという状況に陥るところでしたが、モスクワのFAN FEST会場で見るスケジュールにしていてよかったですw。
メインスクリーン(大きいスクリーンです)
モスクワのFAN FEST会場のサブスクリーン周辺(パノラマ:クリックで拡大)
メインスクリーン側はたくさんの人であふれていましたが、コチラの試合は座りこんで、ゆったり観戦する雰囲気でした。
あと、現地在住の日本人のグループ(日本人学校の父兄と子供さん?勝手な想像ですw)がいらして、レジャーシートを広げて、みんなで観戦というスタイルで応援されていたのも、何か微笑ましくてよかったです。
レジャーシートを敷いて、子供たちが仲良く観戦
実はおとなしく座っていたのは、最初だけで、途中からは試合そっちのけで遊んでる子供たちもいましたが、それはそれで楽しければいいかなと思って見てました。
メンバー
そして、スタメンは驚きのメンバーとなりました。
ターンオーバーに免疫のあるセレサポの私でも、びっくりするくらいで、日本代表は初戦・2戦目のスタメンからは6人もメンバー入れ替えてきました。
GKは川島のままで、キャプテンを任されていますので、GK3人のうちでは、やはり信頼されているということでしょうか。
そして、左右のサイドバックは変更せずに、長友と酒井宏。CBも吉田は変更なしで、槙野がスタメン。
MFは、柴崎を変更せずに、蛍とボランチのコンビを組みます。そして左右のMFは、宇佐美と酒井高。2トップに岡崎、武藤というメンバーになりました。
蛍のメンバー紹介のときにパチリとしましたw
日本 | ポーランド | ||||
GK | 1 | 川島 永嗣 (Cap.) | GK | 22 | ウカシュ・ファビアンスキ |
DF | 5 | 長友 佑都 | DF | 3 | アルトゥール・イェンジェイチク |
DF | 19 | 酒井 宏樹 | DF | 5 | ヤン・ベドナレク |
DF | 20 | 槙野 智章 | DF | 15 | カミル・グリク |
DF | 21 | 酒井 高徳 | DF | 18 | バルトシュ・ベレシンスキ |
DF | 22 | 吉田 麻也 | MF | 6 | ヤチェク・グラルスキ |
MF | 7 | 柴崎 岳 | MF | 10 | グジェゴシュ・クリホビアク |
MF | 11 | 宇佐美 貴史 | MF | 11 | カミル・グロシツキ |
MF | 16 | 山口 蛍 | MF | 19 | ピオトル・ジエリンスキ |
FW | 9 | 岡崎 慎司 | MF | 21 | ラファウ・クルザワ |
FW | 13 | 武藤 嘉紀 | FW | 9 | ロベルト・レヴァンドフスキ (Cap.) |
控え選手 | |||||
GK | 12 | 東口 順昭 | GK | 1 | ヴォイチェフ・シュチェスニー |
GK | 23 | 中村 航輔 | GK | 12 | バルトシュ・ビャウコフスキ |
DF | 2 | 植田 直通 | DF | 2 | ミハウ・パズダン |
DF | 3 | 昌子 源 | DF | 4 | ティアゴ・チョネク |
DF | 6 | 遠藤 航 | DF | 20 | ウカシュ・ピシュチェク |
MF | 4 | 本田 圭佑 | MF | 8 | カロル・リネッティ |
MF | 8 | 原口 元気 | MF | 13 | マチェイ・リブス |
MF | 10 | 香川 真司 | MF | 16 | ヤクブ・ブワシュチコフスキ |
MF | 14 | 乾 貴士 | MF | 17 | スワヴォミル・ペシュコ |
MF | 17 | 長谷部 誠 | FW | 7 | アルカディウシュ・ミリク |
MF | 18 | 大島 僚太 | FW | 14 | ウカシュ・テオドルチュク |
FW | 15 | 大迫 勇也 | FW | 23 | ダヴィド・コヴナツキ |
監督 | 西野 朗 | 監督 | アダム・ナヴァウカ | ||
選手交代 | |||||
9 | 岡崎 慎司▼47分 OUT | 19 | ピオトル・ジエリンスキ▼79分 OUT | ||
15 | 大迫 勇也▲47分 IN | 14 | ウカシュ・テオドルチュク▲79分 IN | ||
11 | 宇佐美 貴史▼65分 OUT | 21 | ラファウ・クルザワ▼79分 OUT | ||
14 | 乾 貴士▲65分 IN | 17 | スワヴォミル・ペシュコ▲79分 IN | ||
13 | 武藤 嘉紀▼82分 OUT | ||||
17 | 長谷部 誠▲82分 IN | ||||
警告・退場 | |||||
20 | 槙野 智章 |
本来のポジションではない酒井高をサイドで起用したり少し疑問もありますが、R16に進む前提であれば、これまで出場していない選手も起用してコンディション面を見極めたり、経験を積ませておきたい部分まるので、理解はできる采配でした。
選手入場から君が代までの動画はコチラ
試合展開
前半
個人的には、蛍がようやくスタメンで出場するということで、パスを散らすことができる展開力のある柴崎と、守備力がある蛍が組んでバランスよく機能するかと少し期待して観ていたのですが、残念ながらチーム全体としては、機能しない状態となってしまいました。
そうなってしまったのは、これまでのスタメンの原口・ぬいぬい・真司・大迫と比較すると、酒井高・宇佐美・武藤・岡崎は、両サイドがポジションニングを含めた守備面で機能しなかったのと、攻撃面でもボールを受ける位置がイマイチで、攻撃でも守備でもハマらない状態に陥っていたからと思います。
そして、私が期待したボランチコンビの柴崎・蛍もサイドのフォローに回る後手後手の守備となり、前半はGKの川島の好守もあり、無失点で切り抜けていきますが、チーム全体としては機能していない状態でハーフタイムを迎えます。
後半
後半に入ってすぐに岡崎に代わって、大迫を投入しますが、流れは変わることなく、59分にはついにフリーキックから失点を許してしまいます。
その後、宇佐美に代えて、ぬいぬい(乾)も途中出場でピッチに投入し、自力突破できる引き分けを狙って得点を奪いに行こうとしますが、なかなかチャンスを作ることができません。
そして、そのままの点差で時間が経過していくと、残り時間10分を切った82分に武藤に代えて長谷部を投入。
負けている状況で、FWに代えて守備的なMFの長谷部を投入して、キャプテンの長谷部が身振り・手振りで「カードはもらうな、点差はこのままで」という内容をチームに伝えていきます。
日本代表はボールをキープするもののディフェンスラインを中心に回すだけで、攻め込む意思は見せません。
このままの点差で試合をクローズする指示を西野さんが出したというのは、見ている私たちにも明確に分かりましたし、試合を進めている代表メンバーにもハッキリと伝わったのかなと思いました。
そして、ブーイングが起きるなか、きっちりとボールをキープしきった日本代表が0-1と敗戦はしましたが、もう1試合のセネガルvsコロンビア戦の結果によって、グループリーグを突破して決勝トーナメントに駒を進めました。
感想など
この最後の戦い方は、アレコレ言われて議論を巻き起こしました。そして、西野監督自身も自分の信条ではないと会見でも言ってた通り、迷う采配ではあったと思います。
とはいえ、あのブーイングの中、1点差での負けをキープしたまま、きっちりゲームを終了させに行った選手たちはエライとは思いますし、それが明確に選手に伝わるように選手交代も含めたメッセージを出して西野さんの決断力はすごいなと思います。
実際、私もFAN FESTで試合を観ている際は「コロンビアvsセネガルに点が入って同点になったらどうなるん!?」という想いが頭を過りましたので、もう少し攻めるシーンも作るかなと思ったりもしました。
すぐ隣のスクリーンで、コロンビア戦は放映しているのですが、その様子は流石に分からないので、少しハラハラしたのも事実です。
ただ、日本代表に敗戦したコロンビアは、セネガルに引き分け以上の結果が必要で、その時点でコロンビアが勝っているということは、コロンビアは他力になる引き分けよりは、確実に勝ちに行くはずという判断があったのでしょう。
そして、日本代表が攻めに行って失点して得失点差で抜かれてしまう可能性と、警告や退場のカードをもらってフェアプレーポイントを落とす可能性を考えると、ステイでそのままの点差で終える方がよいと判断したのだと思います。
グループリーグ敗退よりも、突破の方が確実にいいので、何と言われようと、あのプレー選択でよかったのではないでしょうか。
私は現地のスタジアムで見てはいませんでしたが、モスクワのFAN FEST会場ではブーイングなどは一切なかったですし、残り時間の作戦を完遂しきった日本代表はよかったと思います。
個人的には、ロシア滞在期間に行われる日本代表のグループリーグ3戦のうち、勝ち点を挙げた初戦と2戦目を現地観戦できて、よかったなと思っていました。
でも、FAN FEST会場での観戦も楽しかったので、これはこれでアリかなと思います。ワールドカップの観戦に行ったら、試合会場だけではなく、FAN FEST会場もオススメです。
FIFA公式ハイライト動画(YouTubeでご覧ください)
他にも記事を書いていますので、こちらからどうぞ。
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