アウェイ埼玉での浦和戦。チーム再建中のセレッソはプラン通り戦えずに2失点で敗戦
13連戦を戦うセレッソの11戦目は、アウェイ埼玉でのJ1リーグ第29節の浦和戦です。
直近の水曜日にACLのラウンド16を戦ったセレッソ大阪は、公式戦連敗中(J1リーグ札幌戦・ACL浦項戦)ですので、連敗ストップのためにも勝利が欲しいところです。
対する浦和レッズは直近8試合で負けなしで好調を保っており、シーズン途中に補強したユンカー選手・江坂選手・ショルツ選手がチームにもフィット。ACL圏内の3位を目指して上位争いを繰り広げています。
今シーズンから昨季まで徳島を率いていたロドリゲス監督が指揮を取り、チームとして成熟してきている浦和に対し、新監督の小菊監督率いるセレッソがどこまで太刀打ちできるかに注目していました。
試合は、前線からの積極的なプレスに行くセレッソに対し、10分に浦和がプレスを外して中央からDFラインの裏にスルーパスを送り、相手FWの江坂選手に決められて、浦和があっさり先制。
前半は0−1で折り返したものの、59分に相手DFラインからの縦パス1本で、裏に抜け出されて失点。相手に2点を奪われると、セレッソも攻撃陣を4枚替えして反撃を仕掛けますが、相手のゴールを脅かすまではできず。逆に浦和に何度もカウンターから決定機を作られるピンチもありましたが、ここはGKジンヒョンがゴールを許さずタイムアップ。
2−0のスコアで、リーグ戦連敗となってしまいました。
この試合の敗戦で、リーグ戦連敗。公式線も3連敗となってしまいました。小菊新監督の就任以降の7試合で3勝4敗という結果となりました。
他チームの試合を受けての順位は12位のままで、まだまだ厳しい戦いが続きそうです。
スタジアム | 埼玉スタジアム2002 |
入場者数 | 4,887人 |
天候/気温/湿度 | 雨 / 23.2℃ / 90% |
主審 | 中村 太 |
副審 | 五十嵐 泰之、赤阪 修 |
第4の審判員 | 阿部 将茂 |
VAR | 岡部 拓人 |
AVAR | 相樂 亨 |
アウェイ埼玉スタジアム2002での5000人制限の試合で、アウェイ観戦はまだ困難な状況でしたので、当日はDAZNで観戦しました。
そういえば、この試合のDAZNの解説は戸田和幸さんでした。
ロティーナ前監督時代はセレッソのサッカーに注目してくださっていた戸田さんの解説が聞けるということで、久々にボリュームを上げて、DAZNの解説を聞いてみたいと思っていました。
※個人的な見方なのですが、J1リーグ(DAZN)・代表戦など、解説コメントが雑音のように聞こえることが多いので、普段は実は音声をほぼ聞いていません。
よって、DAZNでの観戦時は音は最小で、実況や解説者のコメントはほぼ聞いていませんが、戸田さんの解説ならば、ボリュームはやっぱり大きくせねばということで、楽しみにしていました。
試合の途中でもズバズバと課題をコメントされていたので、耳は痛くもありますが、ためになる解説だったと思います。
メンバー
浦和戦のセレッソ大阪のスタメン(写真は全てセレッソ公式より)
セレッソは4−4−2がベースは変わりませんが、連戦中なので選手を入れ替えて戦います。
2トップはACLでも積極性を見せていたNJ(西川潤選手)と、ムツキ(加藤選手)が入りました。この2トップは前線から狙いを持ってプレスに行くのであれば、現時点ではよい選択かなと個人的には思っています。
そしてボランチは、ナオ(藤田選手)とおっくん(奥埜選手)、左SHにヌイヌイ(乾選手)・右SHに寛人(山田選手)が入りました。
4バックは、最近の主力がそのまま並びました。左はマル(丸橋選手)・右は陸(松田陸選手)、CBには歩夢(瀬古選手)と隆矢(西尾選手)のコンビ、そしてGKは桜の守護神ジンヒョンが入りました。
この試合の出場で、マル(丸橋選手)はJ1通算300試合を達成したそうです。J2に降格していた時期もあるので、育成からセレッソ一筋の桜のバンディエラ。素晴らしい記録ですね。
浦和レッズ | セレッソ大阪 | ||||||
スターティングメンバー | スターティングメンバー | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
GK | 1 | 西川 周作 | GK | 21 | キム ジンヒョン | ||
DF | 2 | 酒井 宏樹 | DF | 2 | 松田 陸 | ||
4 | 岩波 拓也 | 14 | 丸橋 祐介 | ||||
28 | アレクサンダー ショルツ | 15 | 瀬古 歩夢 | ||||
15 | 明本 考浩 | 33 | 西尾 隆矢 | ||||
MF | 41 | 関根 貴大 | 70′ | MF | 5 | 藤田 直之 | |
40 | 平野 佑一 | 64′ | 23 | 乾 貴士 | 62′ | ||
29 | 柴戸 海 | 25 | 奥埜 博亮 | 77′ | |||
24 | 汰木 康也 | 70′ | 34 | 山田 寛人 | 62′ | ||
FW | 18 | 小泉 佳穂 | 77′ | FW | 18 | 西川 潤 | 62′ |
33 | 江坂 任 | 29 | 加藤 陸次樹 | 62′ | |||
控えメンバー | 控えメンバー | ||||||
GK | 12 | 鈴木 彩艶 | GK | 50 | 松井 謙弥 | ||
DF | 5 | 槙野 智章 | DF | 3 | 進藤 亮佑 | ||
8 | 西 大伍 | MF | 17 | 坂元 達裕 | 62′ | ||
MF | 11 | 田中 達也 | 77′ | 4 | 原川 力 | 77′ | |
17 | 伊藤 敦樹 | 64′ | FW | 20 | 大久保 嘉人 | 62′ | |
21 | 大久保 智明 | 70′ | 28 | 中島 元彦 | 62′ | ||
FW | 7 | キャスパー ユンカー | 70′ | 9 | アダム タガート | 62′ | |
監督 | 監督 | ||||||
リカルド ロドリゲス | 小菊 昭雄 |
そして、負傷開けでACLもメンバー入りしていた進藤選手がベンチ入り。ACLを負傷で回避していたタツ(坂元選手)もベンチ入りしています。
対する浦和は4−2−3−1のメンバーで、1トップには江坂選手が入っていますね。
夏の移籍期間に獲得した選手が多くメンバー入りしているところも、チームとしての補強が上手く行っているという印象を受けます。
試合展開
前半
セレッソは守備では、前線からプレスをかけ、2トップと後ろが連動してボールを奪いに行く積極的な守備を選択します。
そして、攻撃では、浦和のプレスをビルドアップで掻い潜って前にボールを運んで行くことにチャレンジしていきます。
2トップのムツキ(加藤選手)とNJ(西川潤選手)が連動しながらプレスをかける部分では頑張っていたとは思うのですが、立ち上がりわずか10分でセレッソは先制を許してしまいます。
前からプレスに行ったのですが、相手DFラインの中央から、セレッソのボランチの脇のスペースにパスを通されてフリーで前を向かれると、高めに設定していたセレッソの守備ラインの裏のスペースにスルーパスを通されてしまいます。
そして、1トップの江坂選手がボールを受けてゴールに流し込んで、あっと言う間の速攻で先制点を奪われてしまいます。
CBで奮闘していた歩夢(瀬古選手)
ボランチで攻守に貢献していたおっくん(奥埜選手)
同じくボランチで攻守に貢献していたナオ(藤田選手)
左サイドで奮闘、キャプテンのマル(丸橋選手)
対するセレッソは、なかなか相手のプレスを剥がせずに、前にボールを運ぶことができませんが、飲水タイム以降、徐々にボールを運べるようになってきます。
前半、27分には相手陣内でFKを獲得し、こぼれ球をナオ(藤田選手)がミドルシュートを放ち、この試合の初シュートを記録。
このあたりから、少しずつ浦和ゴールに迫るシーンを作り、前半終了間際には、NJ(西川潤選手)のクロスのこぼれ球から、ムツキ(加藤選手)がゴールを狙いますが、これは枠を外れてしまいます。
そして、前半は1点のリードを許した形で後半に入ります。
後半
後半もメンバー交代なく、そのままのメンバーで臨んだセレッソ。
左サイドを中心とした攻撃で、浦和ゴールに迫るシーンも作って行きます
2トップでスタメンのNJ(西川潤選手)
同じく2トップでスタメン出場のムツキ(加藤選手)
積極的なプレーで攻守に貢献していたヌイヌイ(乾選手)
セレッソ・浦和が一進一退の構図で試合を進めて行きますが、59分に浦和に追加点を奪われてしまいます。
相手陣のDFラインにボールが下がったところ、相手CBからセレッソのDFラインの裏にロングパス1本を送られます。
このボールに相手の2列目の汰木選手が隆矢(西尾選手)・陸(松田陸選手)の間を抜け出して、1トラップしてゴールに流し込み、浦和が2点目を挙げます。
度々ロングボールを蹴られていた中で、このシーンは上手く守ることができず、残念ながら失点してしまいました。
CBで奮闘、成長に期待の隆矢(西尾選手)
不動の右サイドバック、この日も攻守に貢献していた陸(松田陸選手)
そして、この失点の後、セレッソは驚きの4枚替え。
攻撃陣の選手(2トップ+左右SH)を4人とも入れ替えます。
ムツキ、NJ、ヌイヌイ、寛人が下がり、タガート、嘉人(大久保選手)、もっくん(中島選手)、タツ(坂本選手)が入ります。
この交代は、2失点に怒った小菊監督の怒りの交代かと、一瞬ドキッとしたのですが、後のインタビューを聞く限りは、連戦の中、予定していた交代だったようですね。
メンバーは変わりましたが、やることは同じ。積極的に前からプレスをかけ、攻勢に出ようとしますが、プレスのかけ方のズレなどから、相手のカウンターを何度か受けてしまいます。
しかし、このピンチにも、ジンヒョンやDF陣が体を張って守り、追加点は許しません。
セレッソもタツ(坂本選手)のサイドから、攻撃を仕掛けていきますが、決定機を作るまでには至らず、ゴールを奪えません。
そして、最後までゴールは奪えないまま2−0のスコアでタイムアップ。
連戦の中、チャレンジをしましたが、プラン通りにゲームを運ぶことはできず、リーグ戦で連敗。公式戦も3連敗となってしまいました。
感想
勝利を目指して戦いましたが、残念な敗戦となりました。とはいえ、浦和とセレッソのチーム状態を反映した試合結果となっただけで、現状を受け入れるしかないという感覚でいます。
浦和は、新シーズンに新監督を迎え、1つずつ積み上げてきてチームとして成熟してきました。そして、シーズン途中の選手補強も上手く進んでいるように見えます。
対してセレッソは、昨シーズンまでの積み上げを一度失い、連戦の最中に小菊監督にバトンを渡して再び積み上げ始めたところ。メンバー構成もシーズン途中の選手補強もほぼない状況で、チーム状態としてはまだまだ。。
今シーズン当初メンバー固定をしてきたツケも含め、様々な課題を少しずつ整備・クリアしている状況と言えます。
連戦の中で選手のコンディションを整えながら、ポジショニング・立ち位置・ビルドアップなど、チームとしての約束事も少しずつ見えてきました。
そして、その中で、尹さん・ロティーナさん時代の遺産が、まだ残っているという感覚も持てるようになりました。
小菊監督のやりたいサッカーを体現するまでは、もう少しかかりそうな気がしますので、一戦一戦積み上げて行って欲しいと思います。
昨シーズン末の監督交代から、今シーズンの監督交代まで、フロントが何がしたかったのかは、理解に苦しむ部分はあります。また、監督交代も、もう少し早いタイミングで踏み切れたらよかったのになとも思います。
今、この連戦という大変な状況の中で、チームを再建しようとしている監督・コーチ・スタッフ・選手たちは、必死で戦ってくれていると思いますので、サポーターとしては精一杯前向きに応援を続けたいと思います。
マル(丸橋選手)はセレッソの生え抜きでJ1通算300試合出場を達成しました。調子の良いとき・悪いときはもちろんありますが、チーム戦術の中できっちりと役割を果たしていると思います。
素晴らしい選手ですし、これからも活躍を続けて欲しいと思います。
悲しいことに、選手個人を攻撃したり・誹謗中傷するようなSNSの投稿があるようですが、好きな選手・好きなプレーに対する応援メッセージで選手・チームを元気づけてくれるとよいなと思います。
1つでも上の順位を目指して、1つずつ戦って行きましょう。頑張れ!!セレッソ大阪!!
試合データ・ハイライト
セレッソ公式ハイライト動画
Jリーグ公式ハイライト動画
セレッソ公式HP:2021 明治安田生命J1リーグ第29節 浦和レッズvsセレッソ大阪(AWAY) 2021.9.18.19時KO @埼玉スタジアム2002
Jリーグ公式HP:監督コメント(リカルド ロドリゲス 監督/小菊 昭雄 監督)
Jリーグ公式HP:選手コメント(Aショルツ選手・江坂 任 選手/西川 潤 選手・奥埜 博亮 選手)
明治安田生命J1リーグ
更新日:2021年9月18日(土) 21:39
順位
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クラブ名
|
勝点
|
試合数
|
勝
|
分
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負
|
得点
|
失点
|
得失点
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1 | 川崎フロンターレ | 69 | 28 | 21 | 6 | 1 | 61 | 18 | 43 |
2 | 横浜F・マリノス | 65 | 29 | 20 | 5 | 4 | 64 | 26 | 38 |
3 | 名古屋グランパス | 53 | 29 | 16 | 5 | 8 | 33 | 22 | 11 |
4 | ヴィッセル神戸 | 51 | 28 | 14 | 9 | 5 | 42 | 26 | 16 |
5 | サガン鳥栖 | 51 | 29 | 14 | 9 | 6 | 38 | 23 | 15 |
6 | 浦和レッズ | 51 | 29 | 15 | 6 | 8 | 33 | 26 | 7 |
7 | 鹿島アントラーズ | 50 | 29 | 15 | 5 | 9 | 49 | 29 | 20 |
8 | FC東京 | 45 | 29 | 13 | 6 | 10 | 40 | 36 | 4 |
9 | アビスパ福岡 | 43 | 29 | 12 | 7 | 10 | 34 | 31 | 3 |
10 | サンフレッチェ広島 | 39 | 29 | 9 | 12 | 8 | 35 | 30 | 5 |
11 | 北海道コンサドーレ札幌 | 39 | 29 | 11 | 6 | 12 | 35 | 40 | -5 |
12 | セレッソ大阪 | 36 | 29 | 9 | 9 | 11 | 38 | 39 | -1 |
13 | 柏レイソル | 33 | 29 | 10 | 3 | 16 | 29 | 40 | -11 |
14 | ガンバ大阪 | 30 | 29 | 8 | 6 | 15 | 22 | 33 | -11 |
15 | 清水エスパルス | 29 | 29 | 6 | 11 | 12 | 29 | 42 | -13 |
16 | 湘南ベルマーレ | 27 | 29 | 5 | 12 | 12 | 29 | 34 | -5 |
17 | 徳島ヴォルティス | 23 | 29 | 6 | 5 | 18 | 21 | 43 | -22 |
18 | ベガルタ仙台 | 22 | 29 | 4 | 10 | 15 | 23 | 48 | -25 |
19 | 大分トリニータ | 21 | 29 | 5 | 6 | 18 | 20 | 47 | -27 |
20 | 横浜FC | 18 | 29 | 4 | 6 | 19 | 21 | 63 | -42 |
ACL出場圏 | 2降格枠 |