延長にもつれ込んだ120分の激闘は終了間際の失点で敗戦。天皇杯の連覇ならず…。
昨年度の天皇杯チャンピオンとして連覇を目指して挑む天皇杯。トーナメント表のうえではホーム扱のセレッソ大阪ですが、下位カテゴリー(J2)の甲府が対戦相手ということで、ホーム開催優先権を甲府が持っています。
そのため、甲府のホームスタジアムの山梨中銀スタジアムでの開催、セレッソは白のセカンドユニフォームを着ての対戦となりました。
直近のリーグ戦2連勝とようやく波に乗れそうなセレッソ大阪、週末のリーグ戦の対戦相手が首位広島ということで、この天皇杯も勝利して流れに乗って臨みたいところでした。
試合の方は、リーグ戦からメンバーを7人入れ替えたセレッソ大阪の3-4-2-1の新布陣が変更されたメンバーでは機能せず、相手ゴールに迫るシーンをそれほど作れず甲府ペースで試合が進みます。互いに得点が取れず、延長戦までもつれ込んだ試合は、PK戦での決着となる目前の延長戦終了間際に、セットプレーの流れから甲府が先制し、0-1で敗戦。
セレッソ大阪 | 0 | 0 | 前半 | 0 | 1 | ヴァンフォーレ甲府 |
0 | 後半 | 0 | ||||
0 | 延前 | 0 | ||||
0 | 延後 | 1 | ||||
得点 | 120′ 曽根田 穣 |
天皇杯、連覇の夢は残念ながらついえてしまいました。
この試合は、完全に11人全員をターンオーバーするかと思っていましたが、ジンヒョン・オスマル・木本・蛍などのリーグ戦メンバーも出場させ、なおかつ120分フル出場させました。
しかし、残念なことに敗戦してしまい、連覇がついえた敗戦のショックだけではなく、リーグ戦メンバーの疲労・コンディションを考えても、非常に痛い敗戦となりました。
スタジアム | 山梨中銀スタジアム |
入場者数 | 2,957人 |
天候/気温/湿度 | 晴れ / 29.4℃ / 47% |
主審 | 西村 雄一 |
副審 | 中井 恒、中野 卓 |
第4の審判員 | 岡 宏道 |
平日の夜に甲府開催ということで、現地観戦ではなく、スカパーの放送での観戦となりました。
メンバー
天皇杯ラウンド16甲府戦のスタメン(写真はすべて公式より)
ホーム扱なので、メンバー表は左がセレッソになります。
ジンヒョン、オスマル、木本、蛍は直前のリーグ戦にも出場していましたが、変わらずスタメンです。
そして、キャプテンが大地で、蛍とボランチを組みます。
3CBは、オスマル・山ちゃん・木本、両WBに、右がシャケさん・左がたなゆう。2シャドウが宏太と隆貴、1トップが山内となりました。
FW登録のメンバーの多くが負傷離脱中ということで、メンバー登録上は、スタメンにFW登録選手がいないメンバー構成となりました。
セレッソ大阪 | ヴァンフォーレ甲府 | ||||||
スターティングメンバー | |||||||
GK | 21 | キム ジンヒョン | GK | 23 | 岡 大生 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|
DF | 5 | 田中 裕介 | DF | 3 | ビョン ジュンボン | 88′ | |
15 | 木本 恭生 | 16 | 松橋 優 | 78′ | |||
20 | 酒本 憲幸 | 91′ | 27 | 阿部 翔平 | 61′ | ||
23 | 山下 達也 | 33 | 秋山 拓也 | ||||
MF | 6 | 山口 蛍 | MF | 5 | 窪田 良 | ||
7 | 水沼 宏太 | 78′ | 18 | 道渕 諒平 | |||
17 | 福満 隆貴 | 90′ | 28 | 橋爪 勇樹 | |||
25 | 山内 寛史 | 80′ | 35 | 高野 遼 | |||
26 | 秋山 大地 | 40 | 小椋 祥平 | ||||
43 | オスマル | FW | 13 | 太田 修介 | 106′ | ||
控えメンバー | |||||||
GK | 27 | 丹野 研太 | GK | 31 | 岡西 宏祐 | ||
DF | 16 | 片山 瑛一 | 91′ | DF | 2 | 湯澤 聖人 | 78′ |
37 | 森下 怜哉 | 34 | 今津 佑太 | 88′ | |||
4 | 藤本 康太 | MF | 19 | 小塚 和季 | |||
MF | 32 | 田中 亜土夢 | 78′ | 26 | 佐藤 和弘 | ||
FW | 13 | 高木 俊幸 | 90′ | FW | 14 | 田中 佑昌 | 61′ |
40 | 安藤 瑞季 | 80′ | 24 | 曽根田 穣 | 106′ | ||
監督 | |||||||
尹 晶煥 | 上野 展裕 |
サブメンバーには、若い安藤・怜哉も入っていますし、リーグ戦でスタメンで出ているトシも入っています。
試合展開
前半
試合は両チームとも、3-4-2-1のフォーメーションで戦う試合となります。
甲府もリーグ戦とはメンバーを入れ替て臨んできた一戦。リーグ戦のサブメンバー中心とはいえ、J1リーグ上位に位置するセレッソが主導権を握りたかったのですが、甲府が主導権を取る展開に。
同じ3-4-2-1の布陣、同じサブメンバー中心のメンバー構成でも、ここ数試合で試し始めたセレッソとは、戦術の理解度が違う甲府が、前線からの守備も含めて一枚上手。
セレッソは両ウィングバックがボールを持った時に、両ワイドの高い位置を取ることができずに、3バックというよりは5バック。ボランチにパスを通しても、シャドウ・ウィングバックへのパスの出しどころがなく、下げてロングキックという展開になり、ボールを保持しながら前にボールを運ぶということがほぼできません。
この日も奮闘していた蛍。キャプテンマークは大地がつけました。
そして、ロングキックを前線に送っても、もともと1トップというよりは2トップで機能発揮うする山内が1トップに入っているため、上手くボールを収めたり、競り勝ってセカンドボールを回収しながら攻めるという展開にもなりません。
1トップで奮闘していた山内
右シャドウに入っていた宏太
よって、3-4-2-1で攻撃時に前に5枚が並んで3-2-5のポジションとなって攻めるというよりは、5-2-3と逆に重心が寄った感じの間延びした展開となり、効果的な攻撃はできず、マイボールにしてもロングキックですぐに相手にボールを渡して、再び守備という展開になってしまいます。
前半38分にようやく初シュート。
自陣右サイドの深いところから、シャケさんが逆サイドの左まで超ロングキックのパスを送ると左サイドにいた宏太がドリブルでペナルティエリア左まで侵入し、後ろから上がってきた隆貴に中央へグラウンダーのパスを送ると、隆貴がダイレクトで右足でシュート!!
ニアサイドのゴールを狙ったいいシュートでしたが、これが左ポストを直撃し、ゴールとはなりません。
苦しいなりにも決定的なチャンスだっただけに、決めきってしまいたいところでした。
この日も好セーブでチームのピンチを多く救っていたジンヒョン。
キャプテンの大地。マイボール時の展開力に磨きをかけたい。
そして、前半はスコアレスの状態で折り返します。
後半
後半立ち上がりは、ハーフタイムで入った修正から、セレッソがポジションを修正しながら、ボールを運べるシーンも増えていきます。
そして、甲府からファウルを奪ってセットプレーを獲得するシーンも増えてきます。
なかなか流れの中でゴールができない場合の得点チャンスとなるセットプレーですが、リーグ戦スタメン組の、ソウザ・マル・キヨのプレスキッカーたちに比べると、この日のキッカーはシャケさん。
数年前まではスタメンでプレスキッカーを務めていたので悪くはないのですが、最近セットプレーでの得点を奪っている際の速くて精度の高いクロスとは違うため、そこまでのチャンスとはなりません。
そして、宏太→あとむ、山内→安藤と前線の選手の入れ替えをしていきます。
右シャドウに入った亜土夢
1トップでゴリゴリ・ガツガツしたプレーを見せていた安藤
後半終了間際には、隆貴→トシと選手交代をして得点を奪いに行きますが、得点は奪えず、スコアレスのまま延長戦に入ります。
延長(前半・後半)
延長戦のキックオフと同時に4人目の交代枠を使い切ったセレッソ。
シャケさん→瑛ちゃんと交代。この交代が結果的には裏目に出てしまいました。
延長戦チャンスを作るもののお互い決めきることはできません。
延長前半終了間際に、相手にペナルティエリアまで侵入を許したセレッソは、最後のシュートブロックに山ちゃんが体を張ったプレーで止めにかかりますが、このプレーの後に、山ちゃんの両足が攣る事態に。
試合にすぐ戻ることができないくらいの山ちゃん。負傷退場として10人で戦うのかという状況となりますが、延長後半は、3-4-2-1の1トップに山ちゃんを配置して、安藤→右シャドウ、亜土夢→右WB、瑛ちゃん→右CBと、メンバーのポジションを入替て後半に臨みます。
11人対11人で戦っているとはいえ、カウンターのチャンスも作れなくなったセレッソが守る展開で、勝負の行方はPKかなと思った、延長後半終了間際のコーナーキックから、こぼれ球を甲府に押し込まれてしまい万事休す。
120分の激闘は、J2の甲府が制し、セレッソ大阪の天皇杯連覇挑戦はこの試合で終了してしまいました。
感想など
残念な敗戦でした。
11人全員を入替ての完全ターンオーバーをするかなと予想していたのですが、蛍・ジンヒョンも含めた主力組も組み入れいたメンバー構成で挑んだこの試合。
90分で必ず勝って帰りたいという想いでのメンバーだったと思うのですが、手に入れられたものはなく、主力組は120分フル出場したので、敗戦と疲労蓄積のダブルショックという状態になってしまいました。
天皇杯に優勝した場合は、今年と同じようにオフの期間が非常に短くなることと、今季のコンディションを考えると、残されたタイトルはリーグ戦とルヴァンカップの2冠に集中できるようになったと、ポジティブに考えて、残りのタイトルに向けてチャレンジしていって欲しいと思います。
ターンオーバーには賛否あるとは思いますが、リーグ戦のメンバーだけではなく、若手も活用しながら、チーム力を高めていきながら、1試合ずつ戦って行って欲しいですね。
(若手はまだ、そこまでの成長できてないということなんでしょうかね)
この週末には、リーグ首位の広島との対戦が待っています。リーグ戦勝利を手にして、再び流れに乗っていきたいです。
がんばれ!セレッソ大阪!!!
試合詳細はコチラ
天皇杯全日本サッカー選手権大会 4回戦 2018.8.22 (水) 19:00KO C大阪vs甲府(オフィシャルHP)
第98回天皇杯 4回戦 C大阪 vs 甲府(まいど!セレッソ)
天皇杯 4回戦 甲府戦|試合後の尹晶煥監督(セレッソ)記者会見コメント
天皇杯 4回戦 甲府戦|試合後のセレッソ選手コメント(ジンヒョン・蛍・山ちゃん・オスマル・安藤)
【ハイライト】#天皇杯 ラウンド16#セレッソ大阪 × #ヴァンフォーレ甲府 は、1-0で甲府が勝利! #スカサカ @crz_official @vfk_official
📺ラウンド16以降は全試合放送!
💻HP⇒ https://t.co/cBwdmgnc4u pic.twitter.com/GbZWhgXX7q— スカサカ!24時間サッカー専門チャンネル (@sptv_jleague) 2018年8月22日